永住許可の審査は超厳格化へ
2026年8月4日(火)、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン(案)」を公表しました。今回の改定は、永住許可の審査基準について大幅な見直しを行うものです。特に注目すべき点は、ガイドライン全体の運用開始は2027年4月1日である一方、収入に関する基準については、2026年10月1日から先行して適用される予定であることです。さらに、2027年4月からは、日本語能力や日本の制度・ルールの理解など、新たな審査項目が加わり、永住許可の審査はこれまで以上に厳格化されることが予想されます。
いつから変わるの?
■ 2026年3月31日までに申請した案件
原則として、現在のガイドラインに基づいて審査されることになります。
■ 2026年4月1日~2026年9月30日に申請した案件
この期間に申請し、2026年10月1日時点で審査中の案件については、新しい収入基準が適用される予定です。法務大臣の会見では、申請者の世帯収入の額が、日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達しているかを考慮要素とすることとした旨が説明されています。また、既に申請中の案件にも新たな収入基準を適用する理由として、「永住許可申請の標準処理期間が4か月から6か月であることを踏まえ」との説明がありました。しかし、実際の永住許可申請の審査には1年前後を要しているケースも多いのが実情です。そのため、標準処理期間を踏まえて改定日の6か月前までの申請を対象とする経過措置については、実際の審査期間との間に開きがあり、実務に携わる立場としては、やや分かりにくさを感じるところです。
■ 2026年10月1日~2027年3月31日
申請時点から新しい収入基準を前提として審査される予定です。今回の改定案では、独立生計要件について、原則として、申請者の世帯収入の額が、日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達しているかなどが考慮要素とされます。これまで以上に、「安定した生活基盤」が重視されることになります。
■ 2027年4月1日以降
新しいガイドラインが全面的に適用される予定です。
収入に関する基準に加えて、
・日本語能力(B1相当)
・日本の制度・ルールの理解
・学齢期の子どもの就学状況
・国益要件
・日本人・永住者の配偶者等に関する特例の見直し
・出国日数に関する消極的要素の明確化
など、新たな基準が審査に加わる予定です。
また、2027年3月以降、入管では公共サービスメッシュを活用した行政機関間の情報連携を予定しており、今後は税金・年金・健康保険などの公的義務の履行状況について、これまで以上に厳格な確認が行われる可能性があります。
そのため、永住申請をご検討中の方は、「2027年4月までまだ時間がある」と考えるのではなく、ご自身や世帯の収入、税金・年金・健康保険の納付状況などを早めに確認し、申請時期も含めて十分に準備することが重要です。
※本記事は、出入国在留管理庁が公表した「永住許可に関するガイドライン(案)」及び2026年8月4日の法務大臣記者会見における説明を踏まえて作成しています。現時点では改定案の段階であり、正式決定までに内容が変更される可能性があります。
行政書士 柳本佳幸事務所
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【訂正とお詫び】
本記事の公開当初、ガイドライン改定の適用時期について、一部誤った説明がありましたので訂正いたしました。公表されたガイドライン(案)の概要には「令和9年4月から(収入に関する要素は本年10月施行)」との記載がある一方、ガイドライン本文では経過措置について「改定日から6か月前の日以降の申請」と記載されており、適用時期が分かりにくい表現となっています。2026年8月4日の法務大臣記者会見における説明を改めて確認したところ、収入に関する基準については、ガイドラインの改定日である2026年10月1日から適用を開始し、さらに2026年4月1日以降に申請され、10月1日時点で審査中の案件にも適用される予定であることを確認しました。当初の記事では、この適用時期について正確にお伝えできておりませんでした。内容を修正するとともに、お詫び申し上げます。